農業をデジタル技術でかっこよく稼げて感動があるものに! by デジタルトランスフォーマー 渡邊智之

デジタルトランスフォーマーの渡邊智之が近未来について語ります。

大企業のスマート農業ビジネスについて

今日はこちらの記事を見つけたのでコメントして行きます。

これを見た私の第一声「うっ!ついにばれたか!?」でした。笑

さてこの記事の第一声どこの農協の幹部か知りませんが早速無責任な発言されて困ったなという感想です。

「大手の設計思想が農業現場のニーズとずれているからだ」
逆を言うと中小企業の設計思想は農業現場のニーズにあっているとなります。それはおかしいですよね。同じ人間がアプローチしているので設計思想そのものはそれほど変わらないはずです。

大手の傾向として「価格が高い」「一次産業を市場規模が小さいと判断」という所は仕方ないとして設計思想に言及されるのはちょっと違うと思います。従って文中「大手はハイスペック」とありますがそこも間違っています。ちゃんと現場のユーザーの声を聞きながら取捨選択して開発をしているからです。

普及の低さについても言及されてますが、農業の平均年齢は67歳と言われており私の感覚ではこの平均年齢以上の農家は「スマート農業」の提供のターゲットにはなり得ない方々になります。はっきり言って60歳以上の農家は先進的な何かを入れて現状打破したいと思っている人はいないからです。

従って全体の1割にも満たないという全体を母数にしていることが間違っているわけです。この1割の方々は私が「スマートファーマー」として名付けている方々で農業をビジネスとして考え会社として経営をされている方々になります。

植物工場については、別な記事で詳細を書ければと思いますが、ツール提供サイドの問題では無く、経営の方に課題があることがほとんどです。
一番多いのはCSRの延長上で考えること。CSRでスタートしたものを後でビジネス化するなんで僕の感覚では事実上無理と思います。多くは役員交代などによる経営方針変更などが原因なようです。

今回の記事では大手は現場に出ていないから仕様が現場にあってないんだと読まれる方もいるかもですが、現場でソリューション開発をしているメンバーの温度間に違いは無いわけです。図体が大きく俊敏で臨機応変な動きが出来ないところに課題はありますけども。。。

「SAWACHI(サワチ)」の事例が書かれているがこちらも富士通が当初から進めていた考え方で特段目新しいものではない、IoPを進める高知大学に元富士通のメンバーが入っており、そのノウハウも多少は入っているのではと想像される。この「SAWACHI(サワチ)」も現状高知県の補助を受けているようなのでビジネスとして成功するか否かについてはこれからに期待したいところですね。

「収穫量が平均10%増えた」はシステム導入をすれば当たり前の成果であり特筆すべきものではない、大事なのは収穫量ではなくその結果儲かったかだ。天候が良く近隣も含め収量が増えていたとしたら単価が下がり儲けが下がることも考えなければならない。この手に触れられていないのが表面的にしか見られていないと残念なところはある。

高齢化が進んでいるから労力を下げる「スマート農業」を進めなければと結んでいるが、そもそも農業という職業が何故高齢化してしまったかという所に目を向けなければ効率化や収量アップだけの「スマート農業」では現状打破にはつながらない。

なお過去に私が富士通で農業にトライを始めた頃の記事がまだありましたのでご参考に。。。

https://www.fujitsu.com/downloads/JP/archive/imgjp/jmag/vol60-4/paper16.pdf

さて今日もこの辺で。。。。

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