農業をデジタル技術でかっこよく稼げて感動があるものに! by デジタルトランスフォーマー 渡邊智之

デジタルトランスフォーマーの渡邊智之が近未来について語ります。

イスラエルのトマト収穫ロボット

スマート化が進む施設園芸、イスラエルでトマト収穫ロボットが登場
https://agrijournal.jp/renewableenergy/68207/

本日は上記記事を見つけたのでコメントして行きたいと思います。

日本ではinahoさんが収穫ロボットを開発されていたりしますがこちらはかなり大きいですね。inaho株式会社 – inaho株式会社 | AIロボットによる農業の自動化ソリューション開発を行う一次産業のSierスタートアップ

イスラエルの農業者向けに作られていると思うので畝間などがそれにあってるだと思いますが日本の標準的な畝間で使えるかは微妙ですね。

また写真を見る限り、房ごと収穫しているように見えますのでこちらも日本の収穫スタイルとは違っているように感じます。ミニトマトは房ごと収穫だったかもですが。

また中国やアメリカのトマトの収穫シーンの動画を見ると苗ごと収穫しちゃってるんですよね。日本のように一つの苗をのばして周年収穫するという思想が当てはまりません。参照動画:https://youtu.be/-jy4w3FkIY4

このように国ごとや地域ごとにお作法が違う農業向けの機器やソリューションって本当に難しいですよね。

また今回の記事のイスラエルの収穫ロボットは売り切りなのかどうなのかも気になる所です。inahoさんはロボット機材は基本的には貸し出しで成功報酬型のビジネスをされているので日本の農家には非常に導入しやすいモデルになってると思います。

人件費を計上されていない日本の多くの農家にとって、ロボット導入に懐疑的である実情にもマッチしていると思います。

とはいえ実際にこれらロボットを現在導入している農業者は、しっかりと人件費を意識されている組織であることがほとんどだと思います。

実際の農業現場では何が起こっているかと言うと。周辺の農家がどんどん離農しているので残った農家は年々作付面積が増えていると言うのです。

農業は規模の経済がなかなか進まない業種の一つで広くなっていく面積を同じ人数でこなし続けるというのには限界があります。

結果、人がアサインできない為に遊んでいる農地(使われていない農地)というのが増えてしまうわけです。比例して生産高も少なくなりますよね。

人を募集すればいいでしょ。と多くの人が考えるとは思いますが、これが非常に難しいんです。農業という職業へのプレゼンスが低い為か、応募はあっても言葉は悪いですがまともに使える人材が来ないのです。

多くの場合、「俺サラリーマン無理。農業くらいならやれるっしょ」くらいの感じで来られるのですが、その感覚は間違ってます。
サラリーマンの方が数段楽だと僕は思います。笑

体だけでなく、頭もさらには五感をフルに活用するのが農業だと私は思っているからです。

結果、上記感覚で採用されたとしても早ければ数日で音を上げてしまうんですよね。「俺、農業向いてないわ」です。

逆に相当の覚悟を持って面接にのぞんでくる人材がたまたまくればこの人は右腕くらいになっていくでしょう。

これはまた別記事で書いた方が良さそうですが、こういう覚悟を持った人もノウハウを学んで独立しようと思って来ている方が多いので、一人前になったなあと経営者が思った頃にいなくなってしまって、農家的には大打撃になるんですよね。

どちらも善し悪しなんですよね。農業サラリーマンの成功事例を作っていかないと行けませんよね。

すこしそれましたが人が増やせない現状では、大規模農業を進めたい(正確には進めざる得ない)農業者が増えている今、人に払う給料くらいの値頃感でロボットが導入できるのであれば導入する人が間違いなくいるってことです。

IT企業の皆様、これからですよ。
それには農家の値頃感、ミニマムの性能をうまく見極めるのが肝ですよね。

本日もこのあたりで・・・・